水道水をカルキ抜きしないで作ったミルクを赤ちゃんに飲ませた場合、どのような影響があるのかについて解説します。
ミルクをカルキ抜きしない水道水で作った時の危険性
水道水をカルキ抜きせずに作ったミルクを赤ちゃんに飲ませたとしても、すぐに体調に影響がでることはほとんどありません。
けれども、敏感な体質の赤ちゃんは、お腹の調子が悪くなり下痢をしてしまうことがあります。
水道水に含まれるカルキが人体に与える影響
日本の水道水に含まれているカルキの量はわずかですので、大人が毎日飲んでも身体への影響は基本的にありません。
ただし、カルキにはタンパク質を破壊する働きがあり「消化を促進するミネラル」とも言われています。
カルキを大量に摂取すると消化管の粘膜を傷つけてしまう可能性もありますが、水道水には人体に危険な量のカルキは含まれていません。
とはいえ、赤ちゃんの身体はまだ未熟なため、大人が大丈夫だとしても負担がかかってしまうこともあります。
ですから、赤ちゃんに水道水を飲ませるときには、カルキをしっかり除去させましょう。
水道水は肌に悪いという噂について
水道水に含まれるカルキは、タンパク質を破壊するため、髪や肌に悪影響を及ぼすという意見もあります。
赤ちゃんの肌はデリケートなので、水道水のお風呂に入れてはダメなんじゃないかと心配になるかもしれませんが、日本アトピー協会の公式サイトには、お風呂を沸かす段階で塩素（カルキ）の濃度は薄まるため心配ないと記載されています。
カルキは悪者ではなく水を消毒してくれる存在
「ミルクを作る時はカルキ抜きをすべき」と聞くと、まるでカルキが悪者のように聞こえますが、カルキは水中の病原微生物を消毒してくれる重要な役割を担っています。
昔の水はカルキで消毒されていなかったため、汚染された水を飲むことで命にかかわることもありました。
ですから、私達にとってカルキは大事な存在です。
ただし、カルキ抜きをした水は腐りやすく病原菌が繁殖しやすいため、保存には向いていません。
赤ちゃんが避けたい水道水内の成分「トリハロメタン」
赤ちゃんに与える水道水は、カルキだけでなくトリハロメタンも除去してあげましょう。
トリハロメタンは塩素（カルキ）が水を消毒する段階に発生する、発がん性や催奇形性のある成分です。
水道水内のトリハロメタンの量は、カルキ同様身体に影響があるほどではありませんが、免疫力が弱く身体が未熟な赤ちゃんにはできるだけ与えないようにしましょう。
赤ちゃんが水道水を飲めるようになる時期
離乳食を開始できる生後半年頃になれば、赤ちゃんも大人のように水道水を飲めるようになります。
ミルクと水道水の相性は悪いわけではない
実は、日本で生産されている粉ミルクは、水道水で作った時に母乳に近いミネラル量になるよう作られています。
水道水をそのままミルクに使うのはよくありませんが、カルキやトリハロメタンなどを除去した水道水は「ミルクに一番適した水」といえます。
水道水を安心して赤ちゃんに与える方法
やかんや鍋で煮沸させる
カルキやトリハロメタンは、やかんや鍋のフタをとった状態で10分以上沸騰させると除去できます。
ただし、カルキを飛ばした水は腐りやすいため保存はできません。
浄水器を通す
カルキやトリハロメタンを浄水器のフィルターを通して除去すると、電子ケトルやポットで沸騰させるだけで赤ちゃんにあげられます。
電子ケトルや電子ポットは沸騰時間が短いため、沸騰させてもカルキやトリハロメタンは除去できません。
カルキ抜き機能があるポットはカルキは除去できますが、トリハロメタンは残ったまま。
しかも、トリハロメタンは短い沸騰時間だと濃度が濃くなってしまうので、10分以上沸騰させる必要があります。
ですから、電気ポットや電気ケトルを利用する場合は浄水器を通した水を使うか、赤ちゃん用として売られている水を使う必要があります。
ウォーターサーバーを利用する
ウォーターサーバーは浄水された水やお湯が、スイッチひとつで出てくるので一番手軽にミルクが作れます。
ミネラルウォーターは内臓が未熟な赤ちゃんにはミネラル成分すぎて負担をかけるため、水道直結型のウォーターサーバーを選びましょう。
まとめ
カルキ抜きをしていない水道水でミルクを作ったからといって、すぐに赤ちゃんに影響があるわけではありませんが、お腹を壊してしまう可能性もあります。
赤ちゃんは免疫力や内臓の発達が未熟なので、お腹を壊すと身体に大きな負担がかかってしまいます。
ですから、ミルクにはカルキを抜いたお湯を使ってください。
カルキ抜きは時間がかるので忙しい育児の中では大変な作業になりますが、ウォーターサーバーを使うと安全な水やお湯がいつでも使えすぐにミルクが作れます。
赤ちゃんの健康を第一優先にしながらも手を抜けるところは抜き、お母さんがホッと一息つける時間を作っていきましょう。
