小1で習う簡単な足し算ができない子供さんの場合、なぜ計算ができないのか、どうすれば克服できるのかを解説します。
小1の簡単な足し算もできない理由
小学校で習う簡単な足し算ができない子供さんは「数の意味」が理解できていない可能性があります。
たとえ、お風呂で100まで数えれたとしても、目の前にある2つのリンゴと、「2」という数字を一致させて考えることは子供にとって簡単なことではありません。
また、大人の場合、テーブルの上にある2つのお菓子と2冊の本は、どちらも「ふたつ」と認識できますが、数の意味が理解できていない子供は、「違うものなのになぜ同じ2という数字を使うんだろう」と不思議に思ったり、「2つ」「2冊」といった数詞と数の「2」をバラバラに考えがち。
ですから、数の意味をうまく理解できていない子供は、足し算も苦手になります。
数を足すという意味が理解できず、答えを導きだすにの時間がかかってしまうからです。
2+3 のような数字が小さい足し算は指を使って答えを出すことができても、数字が大きくなり繰り上がりのある足し算になると理解が追いつかず、計算が難しくなってしまいます。
足し算はいつからできるようになるのか
子供の発達を調べる検査、KIDS(乳幼児発達スケール)によると、足し算ができるようになるのはだいたい5歳半頃からです。
とは言え、歩くのが早い子遅い子がいるように、成長には個人差がありますし、数の捉え方が得意な子と苦手な子がいますので、一概には言えません。
ひとつの目安として、5歳半頃から数の意味が理解できるようになり、足し算ができるようになると知っておきましょう。
指を使って計算するのをやめさせるのはダメ
足し算・引き算が苦手な子供は、両手の指をつかって計算しようとしますが、「頭で考えなさい」と怒ってやめさせないようにしましょう。
指で計算しようとするのは、数をもので数えられると理解している行動と言えます。
何度も何度も繰り返して計算していくうちに、簡単な計算は頭の中でできるようになりますので、ゆっくり待ってあげることが大事です。
足し算が苦手な小1の子の克服方法。まずは「数」の理解から
小さな数の足し算もうまくできない場合は、まず「数とはなにか」を理解させてあげるところから始めましょう。
数は日常生活のあらゆるところにあります。
ものの数を数えるだけでなく、時間やお金、身長や年齢などにも数が使われていることを伝え、余裕があるときは、声に出して数えるだけでなく紙に書いたりして視覚的にも数を見せてあげることが必要です。
算数の教科書に出てくる数字と、身の回りの数字がつながっていることをゆっくりと理解させて行きましょう。
身の回りの小さな数の足し算にチャレンジ
数とはなにかが理解し始めてきたら、小さい数の足し算からスタートします。
お茶碗を並べるなどのお手伝いや、買い物は、足し算をするいいチャンスです。
無理やり計算させるのではなく、自然に足し算をうながしてみましょう。
慣れてきたら暗記するほど繰り返す
時間をかけると足し算ができるようになってきたら、しめたもの。
あとは数の組み合わせが暗記できるくらい、ひたすら数稽古です。
スムーズに足し算ができるようになるよう、何度も繰り返していきます。
公文での足し算の教え方
公文は、1を足すと「次の数になる」、2を足すと「次の次の数になる」という教え方をします。
そしてひたすらドリルで数をこなしていく学び方です。
数の意味が理解できている子供は、何度も計算を繰り返すことで問題を見ただけで答えがパッと出てくるようになりますが、まだ数を理解できていない場合は、数になれることが大事になります。
モンテッソーリの足し算の教え方
モンテッソーリ教育では、最初に、知育玩具など数を理解させるための教具を使い、記号としての数字だけでなく、数量や順序などを表す数詞などを理解させていきます。
数を理解できるようになってからは算数棒などを使い、具体的にイメージさせながら小さい数の足し算引き算から始めます。
小さな数の足し算につまづいているのであれば、算数棒や百玉そろばんを使い、視覚的に数を理解するお稽古をするのもいいですね。
足し算できないイコール障害があるとは限らない
親の立場からすると、子供が学校で教えられたことをスムーズに理解できないと「発達障害があるのではないか」と心配になりがちですが、まずは「なぜつまづいているか」の原因を見極めることが重要です。
小学校1年生で足し算が苦手な場合は、障害ではなく数の理解が未熟なことによるつまづきがほとんどなので、時間をかけて数とはなにかを教えていきましょう。
数量の理解が苦手で計算がうまくできない算数障害などの発達障害を持っている場合は、学習内容が高度になってきた頃に気付くパターンが多いです。
算数の授業についていけない子は家庭学習が大事
学校の先生は、年齢にあった教え方ができるプロですが、大勢の子供に同時に教えなければならないので、各子供のレベルに合わせて授業をすすめることは難しいです。
ですから、足し算ができないなど授業についていけないのであれば、家庭で授業に追いつけるようサポートしてあげる必要があります。
とは言え、共稼ぎ家庭では子供の勉強に付き合う時間が限られていますし、大人とはいえ必ずしも親が子供が理解できるように導いてあげられるとも限りません。
親に時間がない場合は、子供が自分ひとりで家庭学習を進められ、学校の授業に合わせて学べる家庭学習教材を使うのもひとつの方法です。
けれども、授業で教えられたことが理解できていない場合、子供とコミュニケーションをとりながらつまづいている原因や、どのくらいわかっているかの理解度を確認しながら教えてあげることが必要なので、教えるプロである家庭教師を利用するのもおすすめです。
オンライン家庭教師であれば、通学する塾や、家に来てもらう家庭教師と違い、沢山の家庭教師の中から子供と相性の合いそうな先生を見つけることができますし、イマイチな場合は交代してもらうこともできるメリットがあります。
子供は吸収が早いので、足し算が苦手だったとしても数の意味を理解し始めると、クイズ感覚でどんどん問題をとけるように。
今授業についていけず宿題に時間がかかっている子も、授業で積極的に手をあげられるくらい算数が得意で大好きになる可能性もあります。
まとめ
小1で足し算ができない場合は、まずは「数」を理解するところから始めましょう。
運動の得意不得意があるように、数とはなにかを落とし込むスピードにも個人差があります。
日々の暮らしの中で、いろんな数に触れさせ、数を足したり引いたりすることはどういうことなのかを学ばせていきましょう。
早く授業についていけるようにしてあげたいのであれば、教え方のプロの力を借りるなどして、家庭学習でサポートしていくと算数が楽しいということに気付きやすくなります。