沸騰させない水道水を使ったミルクを赤ちゃんに飲ませてしまった場合、赤ちゃんにどんな影響があるのか、どのような対応をすべきかについて紹介します。
ミルク作りで水道水を沸騰させないでそのまま使った場合の危険性
日本の水道水は厳重に管理され、綺麗な状態で提供されているので、うっかり沸騰させずに赤ちゃんに飲ませたとしても体調に大きな影響が与えることは稀です。
けれども、大きな体調の変化が起こりにくいとはいえ、水道水に含まれている不純物は赤ちゃんの胃腸に負担をかけます。
赤ちゃんによっては、下痢を起こしてしまうことがありますので、粉ミルクを作るときは沸騰させた水道水を使いましょう。
もし赤ちゃんに沸騰させてない水道水を飲ませてしまったら
沸騰させてない水道水で作ったミルクを赤ちゃんに飲ませてしまったとしても、無理やり吐かせたりする必要はありません。
まずは様子を見て、下痢をしたりいつもと様子が違うと感じる場合は、医療機関に相談しましょう。
とくに大きな変化がなければ、そのまま様子を見ていても大丈夫です。
いつまで沸騰させた水でミルクを作るべきか
離乳食が始まる生後6ヶ月頃には、免疫力も高くなり、内臓も発達して抵抗力がついてきます。
ですから生後半年になるまでは、水道水を沸騰させてから与えましょう。
調乳時に水道水を沸騰させないとダメな理由
日本の水道水は身体への影響がない量の「残留塩素(カルキ)」や発がん性があると言われている「トリハロメタン」が含まれています。
大人であればそのまま飲んでも問題ないのですが、赤ちゃんは免疫力が弱く、内臓も未熟なので、沸騰させて残留塩素やトリハロメタンや取り除いた状態でミルクに使いましょう。
貯水タンクのある住宅は要注意
マンションやアパートなどの集合住宅では、屋上ある貯水タンクを経由して各家に水が届けられることが多いです。
貯水タンクには常に水が入っているため、カビや藻が発生したりしやすくなりますし、ひどい場合は虫や小動物が侵入していることもあります。
集合住宅の場合に調乳に水道水を使う場合には、一軒家以上に気をつけましょう。
鉛が使われている水道管の水は使わないこと
1991年(平成3年)までは、給水管に鉛を使うことが認められていました。
鉛水道管は、夜間など長時間水を出さず、給水管に水が溜まった状態になると、わずかに鉛が溶け出る可能性があります。
古い家屋に住んでいて、給水管に鉛が使われている可能性があるなら、赤ちゃんに水道水を使うことは避けたほうがいいです。
水道水の正しい沸騰の方法
赤ちゃんでも安心して飲めるように、水道水に含まれている残留塩素とトリハロメタンを除去するための沸騰方法には、以下の2つのポイントが重要です。
- やかんや鍋の蓋を開けた状態で沸騰
- 沸騰の状態を10分以上キープ
トリハロメタンは、沸騰後5分くらいの間に濃度が上昇し、その後蒸発します。
ですから、5分間未満の沸騰は、逆に濃度を高めてしまうため、10分以上はしっかりと沸騰状態を保つことが必要です。
電気ポットやケトルでの沸騰はミルク作りの落とし穴
電気ポットやケトルは一瞬でお湯が沸くので便利なのですが、一度沸騰すると保温状態に切り替わるため、通常の使い方では水道水の不純物を除去できません。
再沸騰機能を利用し、トータルで10分以上沸騰できるよう何度もスイッチを入れ直す必要があります。
もし、再沸騰機能がついていなかったり、何度も電源をいれることが面倒であれば、やかんなどで沸騰させたり、次に紹介する方法を選びましょう。
すぐに使えるミルク用のお湯を準備したいなら
赤ちゃん用のミネラルウォーターを使う
一般的なミネラルウォーターは、ミネラルが豊富なため内臓が未熟な赤ちゃんには負担が大きくなります。
赤ちゃんに安心して飲ませられる赤ちゃん用の水を使いましょう。
浄水器で不純物を除去する
浄水器を通し残留塩素やトリハロメタンが取り除かれた水道水は、沸騰時間の短い電気ポットやケトルで沸かしても赤ちゃんに使えます。
ただし、どの浄水器でもOKというわけではなく、赤ちゃんにとって有害な不純物を除去してくれるかのチェックが重要。
また、浄水器のメンテナンスをまめに行わないと、カビや雑菌が繁殖したフィルターを通した水を飲むことになり、逆効果となります。
さらに、浄水器を通した水は、塩素が取り除かれているため、雑菌が繁殖しやすく保存ができません。
ウォーターサーバーだとお湯だけでなく湯冷ましにも使える
赤ちゃん用の水や浄水器の水は沸騰させる必要がありますが、ウォーターサーバーがあると沸騰させる必要がありません。
ミルク作りの適温である約70℃に設定ができるタイプもあります。
雑菌が除去された冷たい水もでるため、湯冷ましも不要です。
ミルク作りには水道直結タイプのウォーターサーバーがピッタリ
ウォーターサーバーの中には、ミネラルたっぷりの水が届くサービスもありますが、ミルク作りには水道管に直結させるタイプが合っています。
理由は、日本の粉ミルクは水道水で作った時を想定して、母乳に近付けるよう栄養分が調整されているからです。
つまり、赤ちゃんに一番よい状態のミルクを作れる水が水道水なので、水道水を利用できるタイプのウォーターサーバーが向いているんです。
しかも、水道直結タイプは、水のボトル交換が不要なので扱いが楽で、水の使いすぎを気にする必要がありません。
ミルク作りとしてだけでなく、パパやママが飲むお茶に使ったり、料理にも安全な水を使えるメリットがあります。
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ミルク作りには赤ちゃんの体に安心な水を使おう
水道水には生後半年未満の赤ちゃんの体には負担がかかる不純物が含まれているので、10分以上沸騰させてからミルク作りに使用しましょう。
うっかり水道水を飲ませてしまっても慌てる必要はありませんが、下痢などの変化がないかよく観察してあげてください。
赤ちゃん用の水や浄水器を使うと、10分以上の沸騰は必要ありませんが、毎回沸かさなければなりません。
ミルク作りに適温のお湯が出るウォーターサーバーがあれば、いつでも簡単・安全にミルク作りができるため、水道水を沸騰させずに飲ませてしまうミスも起きなくなり、赤ちゃんの健康を守ることができます。